BERO CITY(Chronicle Hakata) | Band List
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 1979年・幻のインタビュー(森山達也編)

    1979年10月27日。
    アマチュア時代の森山が女子高生のインタビューに答えた貴重な資料。短い言葉で答えているが1問1問、ちゃんと返事していることに森山らしいなぁと何故か感心。文字にするとブッキラボウな感じに伝わるかもしれないが、その語り口調は現在の森山とまったく同じ! ソフトな語りで、ほほえましく進行している。
    後半、無邪気な高校生の質問から当時の森山の気持ちが浮き彫りにされたのは偶然の産物か。

    Q. ・・・・・・。

    [森山] 何やったかいな(笑)。
    結成? このメンバーは今年の2月に結成。最初にはじめたのは4年前の夏。
    Q. ・・・・・・。4年間の話を?
    [森山] 4年間? いろんな連中としたばってん、××××の細(こま)いとばっかりやったけん(爆)、こげんなった(笑)。
    Q. なんで「モッズ」?
    [森山] 4年前は、「モッズ」って流行ってなかったけど俺が好いとうとがイギリスのモッズ族の音楽やったけん、そげん名前をつけただけ。別に意味はない。
    Q. オリジナルの曲は何曲くらい?
    [森山] 50・・、50ちょっとくらい。
    Q. 練習は?
    [森山] 週に4回。2時間半づつ。
    Q. 練習がないときはぁ?
    [森山] それぞれバラバラで好き勝手なことしよる。
    Q. みんな学生?
    [森山] いや、2人が学生で。あとは、無職。
    Q. 誰かに影響を受けた?
    [森山] 受けたね。身近な人にも影響受けたし、いろんなものから影響を受けたね。テレビでもそうやし。両親もそうやし。外タレもそうやし。
    カッコいいと感じたものは、全部影響受けたね。
    Q. 好きなミュージシャンは?
    [森山] 好きなミュージシャン。・・・。山ほどあって、ちょっと答えられん。
    Q. モッズとしてのモットーは?
    [森山] モットー。モットーね。(北里に向かって)何や?
    [北里] モットー、熱くなりたいね(笑)。
    [森山] もっと、熱くなりたい(笑)。そうやね。とにかく、向って行くっちゅう感じやね。

    Q. ファンレターなんか来ます?
    [森山] たまにね(笑)。
    Q. IGGY POPは好きですか?
    [森山] IGGY POP? IGGY POPは顔が好きやね。
    Q. みんなでそっくりと言ってるんですよ・・・。えっと、いつもサングラスかけて、髪をバァーと立ててますよね。
    [森山] 目が小さいけん(笑)。
    [北里] 俺は、目が大きいけん(笑)。
    Q. これから先、どうなりたいですか?
    [森山] そうね。とにかく、他におらんような。と言っても「風変わりなこと」とかじゃなくって、当たり前のことばってん、人と違うことをしていかな面白くないですね。
    それと、やっぱ。スケールの太いバンドになりたいね。
    今のバンドは、えらい細(こま)い感じで綺麗にまとまっとおやろ。安心して見られる感じたい。ばってん、面白くないやろ。それが俺の感想たい。
    Q. 危険な感じを出したいとか?
    [森山] 危険っち言うか、俺の聴いてきて育ったロックちいうのは、やけにスケールが太かったしね。外タレ見たことあるならわかると思うったい。「エアロスミス」やら「クィーン」やら俺はあんまり好かんばってん、やっぱり凄いやろ。スケールが太いと思うったい。
    俺は、そげんなりたいというだけの事。コンパクトな感じにはなりたいくないね。
    Q. 今後の予定は?
    [森山] 11月の予定は・・。2日が福大で・・・。3日が九州女子短期大学と熊本大学。それと、9日が西南。うんとー。
    24日が、24日が箱崎祭。で、30日が・・・・。
    [北里] 25日がドラム。
    [森山] そうそう。で、11月の30日の「A LIVE TO 80'」。これは絶対、見に来て欲しいね。 これは、グリーンビレッジちいうとこでやるけん。シーナ&ザ・ロケッツとやるコンサートやけど、絶対カッコいいと思うけん。見逃したらソン。
    Q. モッズにとってファンって何ですか?
    [森山] う〜ん。どういう意味で?
    Q. レコードデビューをまだしていないけど、モッズにファンがたくさんいるじゃないですか。そんな人達のことについて。
    [森山] う〜ん。おったらウルサくて、おらんかったら寂しい(笑)。
    俺達は一生懸命、こう・・・、ステージでやるやろ。詩書いて、一生懸命曲作って、一生懸命練習して・・。
    お金もないくせに毎日練習してくさ。そしてステージに上がってくさ、一所懸命プレイしよう。
    で、客は「あの人の顔がいいけん」「あの人がカッコがいいけん」「あの人の動きがいいけん」。そんなのだけの判断は俺達は別にどうでもいい。俺だって髪は剥げてくるし(笑)、ねぇ。家に帰ったら屁もこくし(笑)。そやろ。
    そんな上っ面で、・・クィーンの何とかと比較して捉えてもらったら困る。
    俺は森山達也やし。

    俺の歌とかを聴いて、それに惚れてくれたら、その反応は嬉しいね。次も見にきてくれると思うったい。俺の新しい曲を聴きにね。
    上っ面だけで好きになっているファンやったら、俺はおそらく、そいつ等を裏切るね。わかるやろ。もっと、もっと、俺らをわかってくれたら、俺は本当に大事にしたいしさ。頭も下げたいと思っとうしさ。

    でも、お客さんがどう考えとうかわからんしね。ステージの上から見てるとあまり反応がないやろ。博多って街は。恥ずかしいっちゅうのもあるやろうばってんね。良いと思ったら何かできると思うったい。
    「森山さん、良かったです」と言ってくれるファンはおるったい。でも、もっと根本的な部分を考えて欲しいっちゃけどね。
    そしたらバンドも良くなるし、お客さんも楽しいし。全てが面白くなってくるし、もっともっとロックの人口が増えると俺は思うったい。
    ファンが甘やかすけん、バンドもなかなか伸びんわけ。今に満足して、ちょっと人気があると満足しきってしまってね。

    だから、今、博多は俺は面白くないと・・・・・・。

    でも、ファンは好いとる(笑)。ほんと、好いとる。

    他に?

    Q. 今日は、森山さんはサングラスをかけていないですね。
    [森山] サングラスとったら目も外れるらしい(爆)。うそ、うそ。
    よう忘れてね。よう落し物ばっかりしてから。それならかけん方がいいよって思ってね。
    Q. 今日はありがとうございました。
    [森山] どうも。
    森山の音楽に対する姿勢は、デビュー前からずっと変わらないなぁと感じてはいたが、久しぶりにこのインタビューテープを聞き返すと、そのことに勘違いがなかったことがわかる。

    後半の話から、当時から音楽活動に対しての真面目な姿勢が見て取れる。うまく言えないけど、森山は音楽が、歌うことが、ホントーーーーーに好きなんだよね。

    しかし当時のロックシーンは、まだ未完成だった。ファン同士の小さなコミュニティの中だけで盛り上がり、その感情をどう表現して良いのかわからなかった時代だ。そのパワーが成熟するまで、あと少しだけ時間が必要だったのだ。それゆえ、ミュージシャン側の彼らには肩透かしの印象しか残すことができなかったのかもしれない。反省しきりだ。

    このインタビューの後、デビューを果たし彼らを取り巻く環境がドラスティックに変わった。
    デビュー後、熱狂的なファンに支えられるモッズ。ファンの反応は博多時代のものとは明らかに違っていた。

    このインタビューでも語っていた当時の印象。今振り返って、森山にとってどういう時代だったと感じているか心配だ。

    ただ、あの時代、ライブハウスから何かが始まっていたのも事実だ。未完成の中にも魅力的なバンドを中心としたイカしたロックシーンが、まぎれもなく存在していた。

    バンド側からすれば物足りない反応だったかもしれないけど、そのライブハウスで繰り広げられるステージは極上のものだった。客席のみんなはモッズやロッカーズたちのステージを目の当たりにしながら100%の満足感を感じていたし、心からバンド達を応援していた。

    その想いだけはバンドマン達に伝わっていたと、信じたい。

    ( 2005.12.07 BERO )


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