No.3 オーストラリアのテレビについて Sept.6th.1997

BIGCAT NEWSは獸木野生が、友人・知人向けに発行している不定期近況報告ニュースレターです。
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はーいみなさんこんにちは。ニュースレター3号目です。
1、2号が一週間間隔で出たのでこれはいけるかなー?と、思いましたが、そうは問屋がおろしませんでしたねえ。先週ニュースレターが出なかったのは原稿執筆作業のほうが、下絵の段階で一日遅れとなったためでございます。なにしろちょっとした油断とか、手違いとか、トラブルとかで、簡単に一日ぐらいは遅れ、しかもそうなるとどうにも動きが取れなくなるので、この商売はいやなんですねえ。今も遅れは3分の1日分くらいしか取り戻せてませんが、それでもこんなものを書いていられるのは、実は締め切りの当日に原稿発送をしなくてもよいからです。なにしろ実際の締め切りの一カ月前送りで作業しているので、締め切りが一日伸びても、自分が一日損をするだけですむわけです。それでも連載のあいだは、締め切りから次の原稿作業まで数日(この数日が一応シナリオ執筆期間)しかないのできついのですが、今回は締め切りが終わるとお休み!ということで気が大きくなっております。

ローカル話題
今回はこっちのテレビについて書きたいと思います。
車、家、ヒーター等に比べて必要度の低さから一番後回しにされていたテレビ・ビデオの設置ですが、これがなかなか曲者でした。話せば長い物語なので詳細は省きますが、良くない電気屋さんに当たってもめたりもし、アリスンと結託して戦った結果、1週間かけてどうにか無事にアンテナを設置してもらい、やっとテレビが観られるようになりました。なかなか返してもらえなかった日本のビデオデッキも戻ってきましたが、こっちの方はオーストラリアのテレビとの互換性(?)がないため、結局観られないことがわかり、日本から持参したビデオテープはあきらめることになりました(洋画はこちらでも観られますが、宮崎映画と伊丹映画が観られないのは惜しい!)。

さて、こっちのテレビですが、テレビによって、映るチャンネルがまちまちです。例えばチャンネル9というテレビ局がどのチャンネルで映るか、テレビによってばらばらなのです。おまけにビデオを録画するときのチャンネルがまた違っていたりします。つまりチャンネル9がうちではチャンネル14で映って、隣のうちでは7で映って、ビデオをとるときは3だったりするわけです。これはややこしいですね。
しかしテレビ番組の構成はどこの国もいっしょだなあーと思わせるものがあります。
日本でもよくあるようなクイズ番組やファミリービデオショー、それから「衝撃の瞬間」みたいな番組もありますね。お昼のワイドショーとか、昼メロもあります。
ニュース番組の構成も、ニュース(そういえば、たまたまきょうはほぼすべてのチャンネルでプリンセス・ダイアナのお葬式の中継をやっています)、スポーツ、お天気と大体同じです。ただ天気図の真ん中にでかい大陸があるのがちょっと奇異ですが。
日本のNHK朝(やってるのは夜ですが)の連ドラに匹敵する「ネイバース(ご近所さん)」という30分番組があるのですが、なんでも30年くらいやってるらしいです(毎日放送)。アメリカの似たような最長寿番組よりさらに長いとのこと。うーん、オーストラリアの人は気が長いんですね(そういえばタスクの観ているヒットチャート番組も、全部のビデオクリップをカットしないで流すので途方もなく長い)。

今わたしが一番気に入っている番組は、日本でもやってたアメリカ・アニメの「ザ・シンプソンズ」です。実は日本では観たことがなかったんですが、これはすごいですね。「おもしろい」とか「おすすめ」とかいうより、ただただ「すごい」のです(獸木もびっくり、という言い方もあるかも・・)。
お父さんのホーマーが原発に勤めてて、長男のバート(小学生)がバイトでギャングの下働きを始めたのを心配するお母さんのマージに「いいじゃないか、仕事は仕事だろ。俺の仕事だって海を汚染して、人々を危険にさらすじゃないか。」とか言っちゃうんですね。
おじいさんのガールフレンドの誕生日に、一家が無理やりおじいさんをサファリパークに連れ出して帰ってくると、ガールフレンドが死んでたりするんですね。そうかと思うとバートの担任のミス・ロンリーハート(本当の名前が発音できないのでわたしはそう呼んでいる)が新聞の恋人募集のコーナーに男性求むの広告を出して、バートがこれに偽の返事を出して収集がつかなくなるエピソードがあったり、ホーマーのお母さんがその昔環境テロをやって、現在のホーマーの雇い主のバーンズさん(ホーマーもバーンズさんも原発で働いているからハゲているのですが、数年前の写真は髪がちゃんとあったりする)に追われているため地下に潜伏しているから生き別れとか、なんだかもうめちゃめちゃです。 こんなものが「サザエさん」のようにゴールデンアワーに放送されてるなんて(しかも子供向けだよね?)アメリカはやっぱすごいですね。
おまけにフルアニメでもないのに人物の動きも細かく(声と口が合っている・・・)、オープニングタイトルの長さ(本編の長さによって調節できる構成になっている)や落ちの部分が毎回違っていたり、いろんな映画や人物のパロディ(ホーマーがピンクのシャツを着ていたために精神病院に入れられたエピソードでは、同じ病室に、白い手袋をしていたために入院させられたマイケル・ジャクソンがいた)が入っていたり、ほんの一瞬だけ画面がエドワード・ホッパーの名画のパロディになったり、作りもえらく凝っています(柔道の道場の壁に、日本語で「アキラがネオ東京をうろついているんだぜ」と書いた張り紙がしてあるなど、日本語読める人にしかわからないおふざけもありました)。
「ザ・シンプソンズ」には、ホーマーの「ドウッ!!(D’OH!)」という決まり文句というか叫びがあるのですが、これが日本語だとどうなってるかがタスクとわたしの素朴な疑問です。直訳(こんなのに直訳も何もないが)すると「あちゃー」とか言う感じでしょうか?シンプソンズ観たことのある方は教えてね。

あと通しで観たことはないのですが、「BURK’S BACKYARD(バークの裏庭)」という、園芸とアウトドア、ついでにお料理や日曜大工のコーナーとかもある総合1時間番組がおもしろそうです(しかし園芸番組を1時間も観られる身分になるのはまだ先の話)。「趣味の園芸」と「3分間クッキング」とかを混ぜたようなこんな番組をゴールデンアワーに長々やってるところはオーストラリアならではでしょうか(しかも似たような番組が別の日のゴールデンアワーにもやってたりする)。 あと日本と違うのは、ドラマにレイプシーンがまったくないことです。昼メロのベッドシーンさえ、ただベッドの中で話しているとか、起きたとことかばっかで、なのにベッドシーン続きで、なかなかのどかというか、おかしい昼メロです。

うわー、テレビの話題だけでどえらく長くなりましたね。次の発行は次週、締め切り明けでーす。休みに入ったらロングバージョンの発行もあるかも!ではまた!


<BIGCAT NEWSは1号から7号まで、このホームページ公開以前に書かれています>


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