◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆アトノマツリ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
想いあまって、言葉たらなさすぎ。

小説『暗闇から手をのばせ』


 中堅恋愛三部作の第二弾。オスカー様です。
 そんなわけで『引力』で果たせなかった「オスカー完全主役話」というのを、どうしても書きたかった岸田は、これを書くにあたってはもうのっけから肩に力入ってました。このままではオスカーに申し訳が立たない、私はオスカー様ファーストのはずだ!!これは『引力』のリターンマッチなのだ、私にとって。
 すごい大借金をオスカーにして、それを返さねば日の当たる場所も歩けんてな気合いの入れよう。借りは返す!!
 そういうの・・・すごい出ちゃってますね。自分で再読しても疲れます、この話(そんなん読ませてんなよ、人様に・・・すみません)。
 私はこの方に「頭で考えるより身体が先に動く」というイメージが強くありまして。それはもう『緋の輪郭』で皆様ご承知なのではないかと思われますが。脳味噌筋肉の体力馬鹿っていうのともまた違って・・・なんというか、思考より先に身体が動いちゃうのは単純に「異常に運動能力が高いせい」っていう。ゆっくり考えればわかんない訳じゃないんだけど、身体が待ってない。喉乾いたなあって思い終わる前に、500メートル先の自販機に既にお金入れてる、みたいな。ってナニそれ。
 余談ですが、私は常日頃「贔屓守護聖は自己投影」ってな説を勝手にぶっておりまして(笑)まー完全にそうとも言い切れないんですけど、やはりどこか自分と似たものを見るから好きになるんではないかと。基本的に「恋愛」というものに対してそういう考えなわけなんですが。(その上で自分にない、全然違うものも見るから、好きになる、という)。
 で、私はこの小説を書いた自分と、この小説でのオスカーに凄く似たものを見ます(笑)。
 すごくすごく言いたいことがある、自分ではすごく(ニュアンスとして)わかってる、しかしそれを文字化して伝えようという段階でそういうの全部ふっとんじゃって、想いばかりが爆走して気付いたらゴール、ああ、なんかむっちゃ全力疾走したわー、アレ?自分ナニか忘れてることがあるよーな?みたいな。
 決して雑に扱ってるとかそーいうんじゃないんです(言い訳(笑))。ほんと、気付いたら・・・っていう。だからもー本気で読みにくいし、何言ってんだかわかんねーよ!という自分ツッコミてんこもり。そういった点で、リターンマッチに今回も勝利することのできなかった岸田であります。さすがオスカー手強いぜ、って誰にも勝ってねーんじゃんお前。
 ただ冷静になった今では、このガツガツした感じが何となく自分でも笑えます、「こーまでなるのはやっぱオスカーが一番好きだからなんだよなぁ」って。オリヴィエもリュミも大好きなんですが、やはり、この方が私には(僅差であっても)ファーストなんだと思い知ります。他の二人ではやはりこうまで自分見失ったりはしないだろうな、と。
 アディールさん、私とWONの間では通称「タカビー」。いやもうほんっとにこの人・・・気ぃつええ(笑)。アユンさんも気は強かったすが、それ以上です、ムテキング。強気の美人ってのは好きなんで、オスカーの相手はこういうのが良いなあ、と思って書いたキャラですが、オスカーも折れない、こいつも折れないってんで、『激闘!一本勝負!!』ってな恋愛になってしまいました。試合終わったらなんか二人とも勝手にすがすがしくなってるよーっていう。「勝負はつかなかったが、お互い良くやった!」とかって握手してそうです。
 後、特筆すべきは。私は毎回毎回小説のタイトルづけに異様苦労するのですが、ダントツでこの話は迷いました。つけては「違う〜」の繰り返し。候補数を言えば20個くらいあったかもです(笑)。最終的にはWONに「もう今晩中に決めてください、更新できないので」という冷たい業務連絡入るほど。ギリギリまで迷ったあげくについたタイトルがこれでした。結局好きな曲のタイトルです。
 最後に。中堅恋愛三部作中、この話、オスカーだけ一線を越えていますが、それは単にこの方のキャラ(あくまでも私が思う、ということですがー)です。オリヴィエにはキスひとつでわかることが、オスカーにはわからん、もしくは判断途中で身体が走ってる(笑)んじゃないかというだけで。なので、なんらここには思い入れはありません。

 

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