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初のお蔵出し作品?岸田、過去と現在の融合

短編『Subjective Late Show』


 恋愛三部作を終えて、何やら唐突に始めてしまったショートのシリーズ、『アバンギャルド!×3』。その経緯等はシリーズが終わった時にでも(<いつなんだよ、それは)まとめてお話させていただくとして、まず先に単独で語ってみようかと。
 この話の元ネタは、こうしてアップするかなり前からありました。しかし小説にする気持ちは無かったので、落書き程度にはあった筈の設定メモとかとっくのとうにゴミ箱行きだった・・・。そんなものがこうして日の目を見るってのが自分的には感動です。なんだかんだ言って気に入ってたんだと思うんですけど(<じゃー何故捨てる)。
 そんな訳で新規に書き起こしたのと同じ状況ではあったんですが、「元はかなり昔に思いついた」ってのが大事なんです、この場合。
 何せ中堅組に対しては自分でも抑制がきかぬほど妄想が爆走するワタクシ、創作にしても一本筋ですんなり頭に浮かぶわけでは全然なくて。熱中して書いてて、はっと気付くとどうでもいいようなところを馬鹿みたいに書き込んでいたり、物語の筋から大きく外れて全然別の話になってたりで、後からモノスゴイ行数をオール削除、なんつー事態が度々起こる(<超絶遅筆癖の原因のひとつ)。そういった箇所も一応は保存してあって、気に入ってる台詞等、いつか使おうなんて貧乏くさいことを考えていたりするんですが、これが・・・絶対に使えない(笑)。
 どうせいつもいつも同じよーな話じゃないか、ここで使ってしまえ!とか強引に入れても、結局はそこの部分だけしっくりいかないんです、なぜか。そうやって何度も引き合いに出されてはまたお蔵にしまわれていく台詞や設定が私のHDDには今もなおゴマンと・・・そういうのこそ捨てろって。
 この『Subjective Late Show』が、芝居がかった大袈裟な雰囲気であるのはそのせいで、昔の私というのがこういうコテコテな感じ(笑)が好きだったという。不思議とこういう「物語がはなから持ってる雰囲気」というのも、後からでは変えられないのです、私の場合。ですが、そこはそれ、書くのは「今の私」。コテコテも嫌いになったわけじゃない、しかしそれをそのまんま大直球で投げるほど、純朴な高校球児じゃなくなっている。変化球とか憶えちゃって悪戯に使ってみたい年頃よ。少しばかり成長(<それは違う)してしまっていた私は、「じゃー地の文はコテコテ、でもやってることはむっちゃオヤジくさく、ってのはどうだ!!」てなことを思いつくわけです。・・・すまんです、今そういうオヤジな中堅組ってーのもツボなんす・・・。
 その対比を強調するにカギカッコもあえて排除、鬱陶しいほどの大仰な形容に飾られるのは「フラれ男三人のしょーもない飲み会」(笑)。ばかすか酒呑んで酔っぱらって、なにかにつけて乾杯して大声で馬鹿笑い。いそうじゃないですか、そういうサラリーマンのグループ、終電後の「養老の滝」とかに。私のアタマの中ではそんなイメージでした。が、結果的に「粋でアダルト中堅組」という感じでまとまってしまったようで、そんなヨコシマな岸田より本来の守護聖様オーラのが強いわ、さすが聖なる力持ってるだけある、などと訳わかんない感慨に耽ったものです。
 あと。私の書く話には度々お酒を飲むという設定が登場し、さぞかし岸田は飲んべえなのだろうと思っている方多いかと思いますが、私は完全な下戸です。奈良漬一切れでも顔赤くなるような。だからこそ逆に、お酒飲むというシチュエーションにものすごい憧れがあるんですねー、なのでついつい。
 でももし実際目の当たりにしたらやっぱりかっこいいでしょうねえ、中堅組が粋に酒飲んでる姿。爆死の勢いで飛んだ頭が成層圏突破くらい軽くしそうです、いやーん、もおおおお〜〜〜〜。・・・ってオマエ、イメージ「養老の滝」だったくせに!!!

 

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