◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆アトノマツリ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
何故こんなのが書けたのか今では謎のハーレクイン・ロマンス

小説『あえてこそ』


 前三作を「寸止め三部作」と名付けたので、「今度こそ寸止めじゃない彼等を!!」ってなスローガンで始まった「中堅恋愛三部作」の第一弾。
 赤面。というのがまずもっての感想です。内容が。恥ずかしすぎる。
 私のオリヴィエに対する一番のイメージというのは「かっこええ・・・ほんとにこの方はオトナだ・・・しかしできすぎちゃってんじゃねーの?」っていうものなので(すまんです、ファンの方)ある意味完璧を見すぎてファーストにはなり得ない、というようなところがあります。
 そーやってオリヴィエ様があんまりにも自分を見せてくれないんで悔しかったんでしょう(笑)、もう「中堅愛好会の創作に関しては私が好き勝手やる!」という独裁者特権を闇雲に振り回し、岸田よ、お前がなにもそこまでやるこたぁ・・って言いたくなるくらいにあけすけな話ですね、これ。ハーレクインロマンスというか・・・女性週刊誌の記事みたいな(笑)。根も葉もない言いがかりをつけてずかずかと人様の心の内に踏み込んだ的な、そんなイメージです。ほんと、申し訳ない・・・。
 コレ書いて最初にWONに読ませた時の反応は忘れられません。そっちからかけてきた電話なのに無言。その時口では謝りつつも心中「何もそんなに怒らなくたって良いじゃねーかよぅ、最終的には別れてるし、キスしかしてないし」ってなことを思っていたのですが、今ならなんとなくわかります、その気持ちが(笑)。そういう問題ではないんですよね(もー遅いって)。
 今まで書いたすべての創作に「もう今は同じ物は書けない」っていうのは思うことなのですが、これが、この話が一番強く思います。私の中にもこのオリヴィエはもういないっす。ここに書かれたオリヴィエの、すべてが間違ってるとかは(ワタシ的には)思わないのですが・・・うーん、こんな部分もあるんだろうが、そこはそれこの方の多くを占める部分ではないし、前面に押し出す部分でもない、という感じ。
 もし今、オリヴィエの恋愛話を、と思って書いたとしたら全然違うものを書くような気がします。彼に見る「完璧」をこういった部分、こういった書き方で崩したいとは思わなくなった、という感じですかねー・・・って他人事のように言うな。
 お相手の女性に関しては。
 アユンさんは私とWONの間ではこの方は通称「イイコちゃん」と呼ばれております。「恋愛物」での第一弾ということもあって、他との差別化を考えずにすんで迷わなかった分キレイキレイなキャラですねー。手がかかんない、というか。美人で性格も良くてできた方です、はい。本当に「神の子」にふさわしー(笑)。
 ただオリヴィエにはどんな女性が隣に居て欲しいか、と考えた場合、そんなに遠くもないです、このアユンさんは(ま、そー思って書いてるんですが)。なんかオリヴィエってあれだけ聖地じゃ周囲に気ぃ配って生きてるんで、プライベートくらい楽させてあげたいなっていう。一を知って十を知る、みたいな察しが良くて落ちつける女の人が良いんじゃないかと。この話が南国リゾートのような場所設定で、しかも三部作中一番滞在日数が長い(笑)のも、最終的な別れの言葉をアユンさんに言わせているのも、私に「面倒なことすべてとっぱらって少し休もう!いーから気楽にしてくれ、なーんもしなくって良いからっ」みたいな気持ちがあったのかもしれません、無意識に。私は誰だよ。そんなに疲れちゃいないってオリヴィエ様はー。
 で、オリヴィエにそこまでいたわりの気持ちのある私は、全部この件をアユンさんにひっかぶせてエンドマークを付けるのでした。ある意味この方(三部作登場女性中)もっとも可哀想ってな感じっすね。アディールさんもマニエラちゃんも、守護聖様とのことは過去のこととして新しい恋愛して穏やかな老後とか過ごしそうですが、この方だけは一生独り身なんじゃないかと思われます。「神の子」なんちゅう運命も背負わされてるし。吹っ切りようにも吹っ切れないってそれじゃ。ごめんよー。
 てなわけで、この話に関しては、なんかすべての点において平謝りな岸田であります。

 

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