リレー小説『踊るサクリア』19 by TAD 
 
  
しかも、先頭切ってつっ走っているのは、オリヴィエその人であった。 
「ちょ、ちょっと、アタシが何したっていうのよ〜〜」 
何から逃れているのかは、よく見えないのだが、オリヴィエの尋常ではない慌てぶりは手にとるように理解できる。 
よく目を凝らして見ると、オリヴィエの後にはマルセルが泣きべそをかきながら走っている姿も見えるし、妙に楽しそうなクラヴィスがすそを捲り上げて走っている姿も見えた。 
「何事ですか!?」 
サラとパスハが目を丸くする。 
「つまりは、こういうことなのですよー」 
とルヴァ。 
いずれにしても鍵を握ると思われる守護星の出現は願ってもないことである。 
もっとも(このような失態が女王の耳に入ったら・・・)と頭を抱えるジュリアスではあった。 
一方、その頃取り残された形となった、ロザリアとアンジェリーク達は途方に暮れていた・・・。 
 
  
《続く》 
  
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