待って・・・。あたしはオスカー様の言葉をもう一度思い出した。
確かあの時、「今ごろあの呑気者達とご対面しているだろう」とも言っていたわ。
・・・呑気者達って誰？、ランディの声を聞いて飛び出していった守護聖の方々？
それとも、王立研究院に行ってしまったジュリアス様とルヴァ様のこと？
一番“呑気者”と確信できるアンジェはあたしの傍にいるし・・・。
えっと・・・。（はっ！）
ああ、深く考えては駄目！考えれば考えるほど混乱するのは先に体験したばかりじゃないの！
血だらけになって倒れたオスカー様のようになろうとも、あたしが行動するしかないのよ！！（あたしがやったんだけどさぁ…）
ああ、これも女王試験のひとつかもしれないわ！そうよ！こんなことで挫けては駄目。
私はオスカー様を抱き起こし、その左頬を軽く叩いた。
　
《続く》