コーの白
Sanctuary

THE WORLD/作品番号24
2001年作品

ジャンル/大河物、ファンタジー
ページ数/172
掲載誌/徳間書店Chara
シリーズTHE WORLD発想/May.3.89
シナリオ完成/July.26.2000
コンテ開始/Aug.7.2000
本描き開始/Aug.21.2000
全編完成/July.26.2001

キャラクター
ジェームス・ブライアン……………ホワイト・ワイルド
エティアス・サロニー……………ブラック・ワイルド
カーター・オーガス……………コー
ジャネット・カーマイケル……………スノーフレーク
マヤ
ワトル
ガレス
シバ


●連載作品としてスタートしたTHE WORLDシリーズの第1話(発表は「ルビー・ブラック」に次ぐ)。雪原で生きる架空の民族と、彼らが守り神と信じる2匹の狼(実は本当に神様)を描いた中編エピソード。
通常複数のエピソードやテーマ、人間関係が複雑に絡み合うのがPALMやその他の獸木中〜長編の特徴だが、この作品「コーの白」は今までで最も単純で簡潔なストーリーを目指して作られ、因習と戦、厳しい自然環境がモチーフのほとんどすべて。
人物の性格描写も一面のみにスポットを当てたいわゆる漫画的なものになっていて、名前も大体ファーストネームかラストネームのどちらか片方のみしか設定されていない。
全ページCG作品の2作目で、レイヤーを駆使した雪や雪嵐といった自然描写、コスチュームやポーズなどのビジュアル面にいつもより比重がおかれている。
★★★

制作エピソード
「動物の話なんだけど。登場するのが全部動物で・・・でも人間なのね。なに言ってるんだかわかんないけど(笑)。
人間の世界ってあるけど、動物の世界もあるって話なんですよ。それがこう混ざってくるのね。だから人間だと思ってた人が本当は動物だったりして。それで人間と動物の間に子供ができたりとか、そういう話なんですけど。」

これは1994年のVandaという同人誌インタビューの中で、「PALM以外に書きたい長編がありますか?」と聞かれて「THE WORLD」について答えた部分である(PALM BOOKに収録)。
もともと作者28歳のころ発想された「THE WORLD」は、わたしがPALMを書き続けている限り世に出る可能性はほとんど皆無に近かったシリーズだが、PALMがエピソードの異常な長編化や制作環境改善の必要性などから一時休筆となったため、徳間書店から連載作品として発表されるに至った。

THE WORLDの連載第1作となったこの「コーの白」のラストに使われているエピグラムは、「WHITE WOLF:LIVING WITH AN ARCTIC LEGEND」という写真集のエピグラムに使われていたChief(ネイティブ・アメリカンの長) Seattleが当時のアメリカ大統領に宛てた手紙の引用。 彼はまた「最後の川が毒され、最後の魚が死に、最後の木が切り倒されるまで、人は金を食べて生きられないことに気付かないだろう」という意味の名言を残した人でもあるそうだ。

エピグラムを引用した写真集の「WHITE WOLF...」ともう一冊の作者の所蔵写真集「WOLF: SPIRIT OF THE WILD」は、THE WORLD発想後1990年ごろから数年間に及んで作者の頭の中に「狼ブーム」を巻き起こし、第一話発想のもととなった。

Jan.2002


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