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没25周年記念ライブ
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元永 直人

1982年3月31日。高校を卒業し大学に入る前の春休み。宿題も補講もクラブの練習も無い、おそらく人生で最も暇な時期。この日朝からロック気分で盛り上がっていた私は午前中に家を出てまず中洲の映画館で友人と「爆裂都市」を観た。お客さんは少なかったが映画は面白かった。友人と天神で昼食を取り、いざ親不孝通りへ!目指すは80’s FACTORY。今日は閉店の日で「80’s FINAL」というライブが行われる。出演はTHE HIPS, THE MARQUEES, FULL NOISE, THE MODS。開場前から沢山の人が並んでる。この見慣れた光景も今日で最後なのか。感慨に浸りながら友人とは違う列に一人で並んで大人しく待つ。通りの向こうからこちらを見る人達が。歓声が上がる。何とモッズのメンバーだった!私も「うぉーっ!」と雄叫び(苦笑)。
最初のTHE HIPSのライブで「今日で最後やけん店の壁が壊れてもいいけん、思いっきり騒ごうね」みたいなMCがあり早くも大盛り上がり。私の記憶ではSEX PISTOLSの「ロンリー・ボーイ」で終わったと思う。
THE MARQUEESでさらに場内はヒートアップし、FULL NOISEも代表曲連発。この頃私はかなり前の方まで来ていた。
THE MODSのメンバーがお客さんの中をかき分け入ってきた(プロレス入場方式)。背中を叩かれるメンバー(大相撲方式)(笑)。1曲目の「COUNTER ACTION」から凄いノリ。ストーンズ・バージョンの「I Just Want To Make Love To You」「Mother’s Little Helper」レコーディング前の「Honey Bee」等レア且つ嬉しい選曲。途中モッズからビールの差し入れが!その缶は記念に持って帰りました。
ラストはこの時点で未発表曲だった「Hell To Heaven」。アンコールの「Two Punks」を一緒に歌ったのは一生忘れません。結局「80’sでモッズを観た」って私にとっては「キャバーンでビートルズを観た」みたいなもん。帰りの電車の中で興奮しながら友人と話し合ったのを覚えてる。何せ未成年だったから飲みに行く訳にも行かないしさ。帰るしかない訳よ。80’sのライブの後は何時もそうだった。ファミレスとかも無いしさ当時。

2007年3月31日。ライブハウスCB。ステージのバックには懐かしい80’s FACTORYのロゴ。25年前と変わらず懐かしい出演者が続々熱いライブを繰り広げている。演奏を聴きながら、あの「荒れ地を耕すような勇ましいビート」こそ、自分の音楽(ロック)の基本なのだと再確認した。あの心沸き踊る体験を10代に得られて本当に良かった。どのバンドが、どの出演者がといった細かい事は敢えて書かないが、博多のロックの真髄、且つ本当にスペシャルなイベントだったと思う。目も眩む程の格好良さの連続でしたよ。
この夜のお客さんは年齢層高かったけど、みんな少年少女に戻ったかのような、キラキラした目をしてた。当日2階のスタッフ席から観てて良く分かった。私はスタッフとしてこのイベントをお手伝いさせて貰ったけど、事前の打ち合わせからとても楽しかった。スタッフの中じゃ私が一番最年少だったけど、優しいお兄さん、お姉さん方から可愛がって貰いました。イベントに向かってみんなが一丸となる、あの日々は非常に貴重な経験でした。25年前は一般のお客だった訳で、80’s FACTORYで自分のロック観を決定付けられた身としては、光栄な事でした。
「Route 66」の最中に、森山さんが花田さんにアイコンタクトで「ギター・ソロ、行け!」みたいな合図して、花田さんがニッコリ笑いながらソロをキメた場面。あれは、ロック史に残る名場面、例えば映画「ギミー・シェルター」で、キースが揉めている聴衆に向かって「とっと止めないと俺たちゃ帰るぜ!」と怒鳴った場面、ビートルズの1965年のシェア・スタジアムに於けるコンサートでジョンがリトル・リチャードばりに肘でオルガンを弾いた場面、ザ・フーの映画「キッズ・アー・オールライト」の最後、ふらふらとドラムセットから出てきたキースにピートが抱きつく場面、クラッシュの映画「ルード・ボーイ」中「I Fought The Law」エンディングでフロントの3人が一斉にジャンプする場面、に匹敵する位格好良かった!!!
この博多じゃ、ロックンロール・ショー・スペシャル・セッションの最後は「Johnny B. Good」じゃなくて「Route 66」なんだよ。この「基本」を忘れずに日々ロックしようよ、みなさん。






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