▼つづく▼



▼つづく▼



おしまい(笑)
さて、今回の中堅的「神戸&徳島の旅」は、4コマでは語り尽くせない内容であったので、
枠外にハミ出して補足もつけるってな迷惑ぶり。すいませんっ!
いろいろなイミで寒くなりたいとか、
特級中堅馬鹿の二人が揃って旅するとどういうことになるか興味あるとか、
そんな奇特な方のみこの先はゴー!!(笑)

事の始まり
 神戸に一泊し、高速バスで徳島に入るという旅程の今回。チェックアウトをすませ、ホテル発三ノ宮駅行きのシャトルバスに乗り込んだ途端…座った全員がイヤでも目にするってな場所に…この広告はあった。ホテルのフレンチレストランの特選メニュー『リュミエール』。
 「リュミエール」というのは皆様ご存じのとおり、店名や商品名にはありがちなので、これだけならば私たちだって驚きはしない(ちょっとは騒ぐが)。問題はその登場の仕方だ。なんせ毎度「喋り倒す」のが第一義目的の旅行、私たちはその前日の昼間っからそのホテルにおり、行程の大半をホテル内で過ごした。昼ご飯だってそこで食べた、夜だってともすればそのままホテルで食べたって良かった(さすがに外行ったけど)。だのに…その間一度たりとも、その名前を目にしなかったのである。まんま『リュミエール』、みれば「春野菜のグレッグ・トリュフの香り」「人参のポタージュ」「仔羊のロティ香草風味」なんつーかなりモロな内容、しかもあと今夜限りのメニュー。8000円という値段も、ちょっと気のきいた飲み物を頼めば大台という、安くはないが出せなくもない、いかにも“中堅的”な絶妙設定(<意味不明)。
 とにかく。どう考えたってこの旅行的に「見つけたら迷わず」な代物。なのに!
 …要するに、私たちはコレを“食べさせてもらえなかった”のである。
 しかも知らずにいたならそのまま何とも思わなかったのに…最後、引き返せない段になってから大々的にその存在をアッピール…。
「さすがリュミ様…」と唸らずにはおれなかった二人なのであった。

▲写真下キャプションには【※写真は「リュミエール」のイメージです。】と書いてある(笑)。


▲12世紀から続く、ボルドーでも最も古い歴史を持つシャトー。近年オーナーが変わって、よりレベルの高いのワインができているらしい。リカーショップで3500円程度から入手可能。フランスルージュにしては、その値段に見合わずフルボディか?と思えるほど力強いサクリアがある。(笑)

 

予想外の展開
 口惜しい気持ちを胸に(笑)そのまま徳島入り。泊まったホテルは完全リゾート志向で、食事もホテルで(食べるしかない、というのが正しい)。レストランは各種取り揃っていたのだが、生魚が苦手なWONがいる為、海辺だっつーのに和食は却下。必然的に唯一の洋食系であったイタリアンレストランに決定。
 4コマに登場はないが、この旅行には私たち二人の他にもうひとり同行者がいた(当然アンジェリーカー)。岸田が完全下戸な為、二人だけの旅行ならワインをボトルで頼んだりしない。よってリストも見なかったであろう。しかーしっ運命は味方した!
 これまたモロまんま、余計な単語いっさい無し!の『シャトー・オリヴィエ』である。これが頼まずにおれますかってんでい!8000円?安い安い!!
 …しかも、美味しい。苔むしたベリーのような香りも、これまた何ともオリヴィエさま〜〜〜〜!
 想像していたよりずっとレベルの高い食事とこのワインのおかげで浮かれぶっこいたアンジェファン三人、中堅話題に大盛り上がり。特にWONはオリヴィエ様のツボ心得たこの攻撃に乗せられて、いつもよりかなり饒舌であった。
 また、食事しながらボトル1本は空けきれないだろうと思い、ラベルを持ち帰るか、ボトルごと部屋に持ち帰って再度乾杯するか相談していたら、サーブしてくれていたホテルマンが「シャトー・オリヴィエのラベルを剥がすのは難しいです。僕も何度か挑戦しましたが失敗することがあります」と絶妙なフォローを入れてくれたお陰で、ボトルごと持ち帰りが決定。(そのボトルは徳島から手持ちで空輸され、今WONの家に鎮座していることは言うまでもない)
 そんな中、ふとワインのラベルに目をやった岸田は思わず息を呑んだ。
「…ねえ、言っていい…?このワイン、1997年モノ…」
 1997年とは、中堅愛好会が始まった年である。
 余談だが、酒好きのWON曰く「若いワインにゃさほど関係ないが、97年はフランスのワイン的にはあんまり当たり年じゃない」とのこと。(<そんなところもウチらしい…(笑))


 


▲鳴門の観光ピーク時と重なり、家族サービスな客が多いホテルのレストランで、これを頼んだ奴は私達だけだった。「ヨーロッパに伝わるデザートです」と語るホテルマンも非常にノリまくって、こりゃ結婚式か?というくらいド派手な演出&パフォーマンス。「写真撮っていいですか?」という問いに「何度もチャンスはあります」と素敵に微笑んでくれた。(<いや、気のせいじゃないって!)(笑)

怒濤のたたみかけ
 ひとしきり食事も終わり、さてデザート、という段。二人まで(一応)揃ったところでオスカーだけ無いのは寂しい。やっぱし頼むしかないでしょう、『炎の舞』と銘打たれたこのスペシャルフランベデザート!
 オスカーの名は無いが誰がどーみたってこれは聖地の思し召し。頼んだコースにはしっかりケーキもコーヒーも含まれていたので、はっきり言えば必要のないオーダーだった上、さらに二人分からしか注文受けつけないという内容。しかしそれでもいくのが中堅愛好家の道!(<そ、そうか?)
 デザートは三種。さっそくお店のヒトを呼びつけて、聞く。
「どれが一番派手に炎があがりますかっ!!」
「…派手、ですか…。そうですね、この『悪魔のコーヒー』が一番…」
「派手なんですね?」
「ええ、派手です」(自信に満ちた笑み)
「じゃあソレお願いしますっっ!!」
 テーブル横に専用の銅製コンロ(?)が設置され、店内物々しい雰囲気。ナニが始まるのかと他席のお客様も大注目の中、『炎の舞・悪魔のコーヒー』はスタート。
 実際、デザートとはいえコーヒーなのである。しかもオレンジの風味を活かした…とかって、コーヒーとオレンジってなんか合わなくないか?そんなシロートの思惑をよそに、店内の明かりが暗くなる(他に飯食ってる客もいるのに大迷惑…もとい大サービス!)。
 薄暗がりの中、炎であぶっただけのオレンジは未知のエロい芳香を放ちだし、アルコールを飛ばす為に火をつけられた3種のリキュールは、アイスブルーの炎と身を変えグラスの間を行き来する。眼前で繰り広げられる見事な手際の火柱パフォーマンスの末、クリスタルのグラスに注がれクリームの浮かんだそのコーヒーは…う・美味い!!!
『女のコなら甘いモノが好きだろう?』…コミック版アンジェでの彼の台詞が三人の脳裏にこだましたのであった。

▲ワックス取りと芳香のためにオレンジを直火でBURN。
 この後ひとりひとりにその香り確認サービスがあった。
 
▲もう何を撮っていいのかさえ、わからなくなった
 岸田のカメラフレーム。(笑)

そして酔いしれ、夜は更けゆく
 一応、岸田は(WONよりはまだ)少しばかり冷静であった。…このコーヒーを飲むまでは。日頃の酒に対する警戒心も、こーんな甘くとろける味わいのコーヒー相手では緩む。(ま、その助走はあった…最初にカメラを手にしていた岸田はあまりのパフォーマンスと炎の美しさに「全てをこの目でちゃんと見たい!」とカメラをWONに投げてよこしたのだから(笑))調子に乗って飲んだあげく、岸田は足下もおぼつかぬほど酔っぱらってしまったのであった(ちなみに「酔う」という事自体、岸田にとっては初体験<アルコール入ると即気分悪くなる質だったので…)。
 『リュミエール』を逃したのは残念であったが、一日の出来事として綺麗に揃ったことのほうが今はむしろ嬉しいじゃあないか!
「しかし、徳島にこんな出会いがあるなんてねぇ〜」
「なんで徳島なんだ?ってとこがまたいいんじゃん〜〜」
(すいません、酔っ払いの言うことです)
 部屋のバルコニーからは真っ暗な海に月ひとつ。そうだ、今日は満月だったんじゃなかったっけ?確か昼間、鳴門の渦潮見た時「今日は満月だから渦がよく見える」とかなんとか言われて…ただでも満月でよく見えるのに、三月下旬は一年で一番って、そんな時に偶然、って凄いよね!良かったよねぇ、渦潮ね〜、想像以上。エメラルドグリーンの海に現れては消え、消えては現れる繊細かつ大胆な…ありゃもう水の芸術っすよ!!

 …ん?それって誰かに…

 瞬時に
「一年に一度の異星の水の祭典に赴いた水の守護聖、なぜかついてきた炎夢、だがやっぱしやることなくって近くのリゾートホテルでワインの蘊蓄たれたり甘いデザート振る舞って女の子にキャーキャー言われつつ、リュミのお仕事終わりを待つ」
ってな図が、私たちには浮かぶ。…ああ、なんとツボなシチュエーション!!<馬鹿
ここじつけだろうが強引だろうが、もう何でもイイんである。
楽しかったらイッツオッケー!!
…というわけで、中堅の神様の粋なはからいに、女三人ノックアウトされた旅でありました。
(31.MARCH.2002)